インディアンを指す言葉に文明化五部族というものがあります。
これはかつてアメリカにおいて、チェロキー族、チカソー族、チョクトー族、クリーク族、セミノール族を指すのに使われた言葉です。
文明化五部族とは具体的にどのような意味を持つのでしょうか。
ここでは文明化五部族について解説します。
「文明化された」インディアン
チェロキー族、チカソー族、チョクトー族、クリーク族、セミノール族はもともとプランテーションの生徒や奴隷の所有など、白人の入植者たちが持ち合わせていた習慣の多くを採用していました。
そのためこの5つの部族はインディアンの中でも文明化されたインディアンだと考えられていたのです。
彼らは1800年代に入り、今のオクラホマ州にあたる場所に強制移住させられましたが、それより前はミシシッピ川より東のアメリカ南東部に住んでいました。
そのため、アメリカに白人たちが入り込んでいた場所に住んでいた部族とも言えるのです。
インディアン強制移住法
もともとアメリカ南東部に住んでいた彼らは第7代合衆国大統領アンドリュージャクソンが出したインディアン強制移住法によりミシシッピ川の東側から追い出されてしまいました。
数十年もかけて大陸を横断し、今のオクラホマ州に徒歩で移動していったのです。
その中でもチェロキー族の涙の旅路は有名で、この移住の中で何千人ものインディアンが命を落としたと言われています。
歳をとっているインディアンたちも若者と同様、重たい荷物を持って歩かされてしまったのです。
南北戦争による分裂
チェロキー族、チカソー族、チョクトー族、クリーク族、セミノール族の部族たちは南北戦争において、何分を教えするか北部を支持するかで分裂してしまいました。
チカソー族、チョクトー族は南部を支持することになり、チェロキー族、クリーク族、セミノール族は北部を支持することにしたのです。
特にチェロキー族は南軍と北軍の2つに分かれ、同じ部族でありながら争うこととなってしまいました。
今でもこの5つの部族たちは自分たちの文明を大切にしています。
この文明化五部族という考え方は人種差別的な概念であると思言われていますが、それ以外のインディアンの部族たちが文明化していなかった、野蛮であった、という推測を避けるため、五部族という言葉のみが使われることもあります。
まとめ
いかがでしょうか。
インディアンに対して白人が「文明化されていた人々」という名称をつけただけでも人種差別的であったといえます。
それほどまでにインディアンたちは白人たちから野蛮な存在として見られていたのです。