インディアンたちは長い歴史において、アメリカに住んでいる白人たちから同化政策を受けたことがあります。
アメリカは1776年に「我々は皆平等である」という独立宣言を出しましたが、その「我々」にはインディアンは含まれていなかったのです。
それならば、インディアンたちが受けた同化政策とは一体どんなようなものだったのでしょうか。
ここでは、現代にわたって深刻な影響を与えているインディアンたちへの同化政策について紹介します。
子供たちを親元から引き離す
絶滅した部族も含め、北米には500もの部族がいると考えられています。
彼らは独特の文化や習慣を持ち、白人のそれと大きく異なっていました。
そこでアメリカ人たちはインディアンたちを白人と同じようにするため、子供たちを親元から引き離すという政策を行ったのです。
まだまだ親元で育てられるべき子供たちを引き離してまとめ、今でいう収容所のような場所に入れました。
これが同化政策の始まりです。
白人と同じ教育をする
親元から引き渡した子供たちに対し、白人たちは白人の子供たちへと同じ教育を行いました。
英語を教え、聖書を読ませ、インディアンたちの文化や習慣を廃絶し、白人たちの文化や習慣を教え込もうとしたのです。
しかし、白人の子供たちへの教育との違いは、あくまでもインディアンたちの文化や習慣を根絶させることが目的であったため、例えばインディアンの子供が自分たちの言語を話した場合、口を石鹸でゆすがせるといったような虐待も行われました。
このようにしてインディアンの子供たちは自分の習慣を奪われていってしまったのです。
どの社会にもなじめない
自分たちの文化や習慣、そして言語を失って英語が話せるようになった子供たちは、親元に戻された後、インディアンたちの社会に馴染むことができませんでした。
言葉が通じないわけですからインディアン社会で生きていくことができず、しかしやはり見た目が違うために白人社会に馴染むこともできず、同化政策を受けた子供たちは行く場を失ってしまったのです。
それによって彼らは教育を受けることができず、就職をすることが困難となりました。
だからこそ結婚して子供が生まれてもその子供が教育を受けることができず、就職ができないといった悪循環に陥ってしまったのです。
今でもインディアン社会の貧困率は極めて高いと言われています。
まとめ
いかがでしょうか。
インディアンたちが受けた同化政策というものは極めて非情なものであり、それによってインディアンたちの貧困率が高くなってしまったとも言えます。
今は多くの部族が白人と同じような生活をしていますが、今でも自分たちの生活を守っている部族では高い貧困率に悩んでいる人も少なくありません。