インディアン寄宿学校について聞いたことがあるでしょうか。
寄宿学校というのは例えばハリーポッターのホグワーツのように、全寮制の学校を指します。
インディアン寄宿学校というのはアメリカやカナダで行われた同化教育のための施設です。
ここではそんなインディアン寄宿学校について紹介します。
同化政策
もともとアメリカに暮らしていたインディアンたちは、そこに入り込んできた白人たちによって差別される存在となってきました。
そして白人たちはインディアンたちに対し、彼らを白人にするための同化教育を行うことにしたのです。
インディアンの子供たちを親元から引き離し、英語を教え、聖書を読ませ、「インディアンを殺し、人間を救う」という合言葉のもとにこの教育が始まりました。
ペンシルベニア州に第一号としてインディアン寄宿学校が出来上がり、それはカーライル・インディアン工業学校と呼ばれています
インディアン民族のアイデンティティ
このインディアンたちの宗教や言語を禁止して白人たちの習慣を覚え込ませようとする同化政策はインディアンのアイデンティティーに大きな影響を与えました。
2000年にはBIA局長が「これはアメリカ合衆国によるインディアン部族に対する民族浄化である」と正式に記載しています。
カナダにおいてもこのような民族浄化が行われており、1996年にようやく1番最後のインディアン寄宿学校が閉鎖されました。
カーライル・インディアン工業学校
ペンシルベニアにあるインディアン寄宿学校の1番最初のカーライル・インディアン工業学校は1884年に出来上がりました。
1875年、対白人抵抗戦のインディアンの指導者たちが囚人となり、命を落としていく姿を見た兵士が彼らを救いだし、英語の読み書きを教え、職業訓練を行って白人の生活に順応できた際に釈放したのです。
これが元になり、インディアンを子供のうちから生産的なアメリカ人として育てるという政策が始まりました。
このときの兵士、プラットはカーライル・インディアン工業学校の初代校長になっています。
まとめ
いかがでしょうか。
インディアン寄宿学校というのはあくまでも英語のみで教育が行われた学校であり、インディアン独自の言語をしゃべった子供には洗剤で口をゆすがせる、石鹸を食べさせる、などの虐待も行われたと言われています。
今となってはあってはならない学校ですが、このような同化政策によって自分たちの文化を奪われた子供たちは自分たちのインディアン社会に溶け込むことができず、そして白人社会にも溶け込めず苦労をすることになったのです。