インディアンと言えばアメリカの先住民たちですが、彼らは今現在のアメリカとどのような関係を築いているのでしょうか。先住民という事は、例えばコロンブスが1492年にアメリカを発見する前からアメリカに住んでいたということであり、
コロンブスがアメリカを見つけた後アメリカに入り込んでいた白人たちはインディアンよりも後にアメリカに入ったということになります。
それならば、そのインディアンたちと今のアメリカは良い関係を築けているのでしょうか。
ここではインディアンとアメリカの関係について紹介します。
権利が与えられなかった人々
1776年、アメリカ合衆国はイギリスから独立し、独立宣言というものを出しました。
このときの独立宣言には「人類は皆平等である」と書かれています。
しかし、今のアメリカ社会でも同じことが言えますが、この時の「みんな」というのは白人男性のことだったのです。
ここにはインディアンや黒人、アジア人等は含まれていませんでした。
つまりインディアンは白人よりもアメリカに長く住んでいたにもかかわらず、彼らには権利が与えられなかったということになるのです。
つまり、最初からアメリカとインディアンの関係は良かったとは言えないのです。
インディアン強制移住法
アメリカ合衆国第7代大統領アンドリュー・ジャクソンは1870年にインディアン強制移住法というものを打ち出しました。
この頃には西部開拓が重視されており、例えば「明白な天命」という意味を表しマニフェスト・デスティニーという言葉もできあがっています。
これを実現するため、白人たちはインディアンをインディアン居留区という場所に追いやっていったのです。
特にチェロキー族の強制移住は有名ですね。
彼らは何千キロも歩かされ、その旅路で多くの人が命を落としました。
貧困率が高いインディアン
インディアン強制移住法によってインディアン居留地に追いやられた人々は、その後は同化政策ということで英語を叩き込まれ、聖書を読まされ、インディアンの文化というものを奪われていきました。
そのため彼らがインディアン居留地に戻ったときにはインディアンとしてのアイデンティティーがなくなっており、彼らはその社会で生きていくことができなくなってしまったのです。
中途半端な教育のまま大きくなってしまったために就職することができず、彼らは厳しい貧困状態に陥りました。
そのまま結婚し、子供が生まれて行くわけですから子供たちもきちんとした教育を受けることができず、結婚してさらに子供が生まれ、悪循環が生じてしまうのです。
今でもインディアンの貧困率は極めて高く、失業率も高いとされています。
ドラッグやアルコールの依存症に陥る人もたくさんいます。
まとめ
いかがでしょうか。
インディアンとアメリカの関係は必ずしも良いとは言えません。
最近ではインディアンも権利を持ち始めつつありますが、それでも白人ほどの権利を持っているわけではありませんし、いまだに差別を受けることもあるのです。